多発性骨髄腫に対するダラツムマブ,ボルテゾミブ,デキサメタゾン投与中 ..


軟部組織の孤立性形質細胞腫は鼻腔,副鼻腔,消化管,肺,甲状腺,眼窩,リンパ節などに発生する。80%以上が上部気道や上部消化管に分布し,上部気道では副鼻腔が多い。初発症状や臨床像は腫瘍の発生部位で異なる。軟部組織の孤立性形質細胞腫の経過は一般に緩慢で,多発性骨髄腫への進展は稀であるが,骨の孤立性形質細胞腫は多発性骨髄腫に進展しやすい。比較的最近の報告では,骨の孤立性形質細胞腫診断後5 年の全生存割合(OS),無病生存割合(DFS)はそれぞれ70%と46%であり,5 年で約半数が多発性骨髄腫へ移行していた。多発性骨髄腫へ移行した時期は診断から平均21 カ月であったとされている。いったん多発性骨髄腫へ進展するとその予後は,多発性骨髄腫の予後と同等に悪くなる。一般に多発性骨髄腫への進展が予後を決めると考えられる。また,米国で1998〜2004 年の間に診断された孤立性形質細胞腫患者1,472 例の予後を解析した報告では,若年群ほどOS,疾患特異的生存割合ともに高く,骨の孤立性形質細胞腫と軟部組織の孤立性形質細胞腫の予後を比較するとOS,疾患特異的生存割合ともに骨の孤立性形質細胞腫のほうが予後不良である。疾患特異的生存割合は,骨の孤立性形質細胞腫が50%,軟部組織の孤立性形質細胞腫が80%でプラトーになっており,両病型の間で治癒率に大きな差があることが示されている。

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症状のない骨髄腫(MGUS、くすぶり型骨髄腫)から多発性骨髄腫への進展率は年に

国際骨髄腫作業部会(International Myeloma Working Group:IMWG)の分類では,骨または軟部組織の孤立性形質細胞腫は,①生検にてクローナルな形質細胞から成る骨あるいは軟部組織の形質細胞腫の存在,②骨髄中にクローナルな形質細胞を認めない,③孤立性形質細胞腫病変以外には骨X 線,椎体および骨盤MRI(またはCT)で異常を認めない,④臓器障害(CRAB)を認めない,の4 項目すべてを満たす疾患と定義されている。また骨または軟部組織の微小骨髄浸潤を有する孤立性形質細胞腫は,①生検にてクローナルな形質細胞から成る骨あるいは軟部組織の形質細胞腫の存在,②骨髄中のクローナルな形質細胞<10%,③孤立性形質細胞腫病変以外には骨X 線,椎体および骨盤MRI(またはCT)で異常を認めない,の4 項目すべてを満たす疾患である。

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サリドマイド(THAL)やレナリドミド(LEN)を含む併用療法では静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE)発症が増加する。未治療例に対するTHAL とDEX の併用とDEX 単独投与を比較したランダム化比較試験において,DEX 単独投与ではDVT の発症は3%であったが,THAL の併用で17%に増加した。再発難治性骨髄腫に対するLEN とDEX の併用とDEX 単独療法を比較したMM009,MM010 試験では,DVT の発症率は,LEN とDEX の併用群のほうがDEX 群より高率であった(それぞれ14.7% vs 3.4%,11.4% vs 4.6%), 。新規発症例の方が再発例よりDVT の危険が高く,DVT 発症はTHAL やLEN を含む治療開始後5 カ月以内に多い。THAL やLEN を含む併用療法ではVTE の発症予防に,DVT の発症リスクが低い患者に対しては低用量アスピリン(81〜100 mg/日)の予防内服が,またリスクが高い患者に対しては低分子へパリンの予防投与を治療開始から最低4〜6 カ月間行うことが推奨されている。THAL を含む寛解導入療法(MPBT,BTD あるいはTD)(n=220)の前方視的検討において,低用量アスピリン(100 mg/日)の予防内服がDVT の発症を最初の6 カ月間で6.4%に抑制した。なお,MM009,MM010 両試験におけるサブグループ解析では,LEN+DEX 群において血栓症の発症の有無および血栓症予防のための抗血栓療法の有無とOS,TTP などとの相関は認められなかったことが報告されている。したがって,上記の血栓症予防対策はLEN による抗腫瘍効果に負の影響は及ぼさないと考えられる。再発難治性骨髄腫に対するポマリドミド(POM)と少量DEX の併用とDEX 単独療法を比較したMM-003 試験では,血栓リスクのない場合にはPOM 投与期間中低用量アスピリンの予防内服を,また血栓リスクのある場合には低分子へパリンの予防投与を行い,DVT および肺梗塞がほとんど発生していない(全Grade の合計がPOM 群で2%,DEX 単独群で1%)。DVT のリスクには人種差があるため,本邦での大規模試験におけるエビデンスが望まれる。

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[PDF] 当院で多発性骨髄腫の治療としてカルフィルゾミブと ..

若年者骨髄腫において,タンデム自家/同種(ミニ)移植とタンデム自家/自家移植を比較した試験が5 つ行われている。このうち,イタリアの試験とEuropean Group for Blood and Marrow Transplantation(EMBT)の試験でタンデム自家/同種(ミニ)移植の有用性が報告されているが,IFM の試験およびもっとも大規模な米国からの報告では両群間で有意差がみられていない。対象や同種移植における前処置が試験により異なるが,タンデム自家/同種(ミニ)移植が無イベント生存期間(EFS),全生存期間(OS)ともに優れていたとするイタリアからの報告では同種移植前処置がTBI 2 Gy となっている。しかし,同様の前処置で行われた米国からの大規模試験の報告では標準リスク,高リスク群いずれにおいてもタンデム自家/自家移植と同等の成績であった。EBMT からの報告では移植前処置はフルダラビン(FLU)+TBI 2 Gy であり,自家移植群はシングルあるいはタンデムであったが,PFS,OS ともにタンデム自家/同種(ミニ)移植が優れていた。一方,PTHEMA 試験では自家移植後near CR に到達しなかった症例をHLA一致同胞の有無でランダム化しているが,同種移植群で高いCR 率とPFS のPFS の延長がみられたもののOS には有意差がなかった。以上より,タンデム自家/同種(ミニ)移植がタンデム自家/自家移植よりOS において優れているとは言えない。

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骨髄腫患者では深部静脈血栓症(deep vein thrombosis:DVT)の発症が多い傾向がある。DVT をきたしやすい骨髄腫患者の危険因子として,高齢,先行する凝固異常やDVT の既往,エリスロポエチンの使用,高用量デキサメタゾン(DEX)の使用,ドキソルビシン(DXR)を含む併用化学療法,長期臥床,中心静脈カテーテルの使用,腫瘍量が多いこと,および感染や炎症の存在などが指摘されており,このような危険因子があれば,DVT 発症に対する予防策をとることがもともと推奨されていた。

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デキサメタゾン、メルファランしか処方できなった時代もありましたが、再発難治性多発性骨髄腫の新薬は今でも複数あります。

ボルテゾミブ(BOR)投与中の患者では,帯状疱疹の発症が比較的早期に出現することが指摘されている。特に,デキサメタゾン(DEX)を併用する場合は注意が必要である。BOR 投与により神経障害性疼痛を合併している場合,帯状疱疹の発症は神経障害性疼痛症状を増悪させ,患者の生活の質をさらに低下させる。APEX 試験では,BOR 単剤およびDEX の併用群で331 例中42 例(13%)に帯状疱疹が発現し,DEX 単独群(5%)よりBOR 投与群で帯状疱疹の発症が有意に多かった。BOR とMP 療法(MEL, PSL)を併用したVISTA 試験では,MP 療法群に比べBOR 併用群で帯状疱疹の発症が高頻度であった(13% vs 4%)。また,アシクロビル(ACV)の予防内服をしなかった250 例では43 例(17.2%)に帯状疱疹が発現したのに対し,予防内服をした90 例では帯状疱疹発現が3 例(3.3%)のみに減少しており,ACV の予防内服により帯状疱疹の発生を減少させることが示された。ACV 200 mg/日の低用量の予防内服により帯状疱疹の発生を減少させることが示されている。Carfilzomib やixazomib の大規模試験でもACV が予防投与されている。しかし,長期間にわたる抗ウイルス薬投与による腎障害や神経障害にも注意が必要である。

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新規発症骨髄腫患者に対するゾレドロン酸とクロドロネートの長期投与の効果を比較する大規模臨床試験(MRC Myeloma Ⅸ trial)が英国で実施された。本試験では口腔内予防措置が行われたが,口腔内予防措置を行っても年間約4%の患者にARONJ が発生しているため,予防措置に加えARONJ の早期発見のための注意深い観察と対応が必要である。

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キーワード:多発性骨髄腫 IMiDs デキサメタゾン CRBN

局所療法として放射線療法と外科的切除が主に行われる。また,病変の部位や治療経過により化学療法も検討される。一般に放射線感受性が高い腫瘍と考えられているが,症例が少ないこともあり放射線療法の至適照射量などの十分な検討が少なく,標準治療は確立されていない。予後良好因子として,若年者および腫瘍径5 cm 未満であることが,また多発性骨髄腫への進展を示唆する因子として,診断時の腫瘍の大きさや蛋白分画でのM 蛋白の存在等が挙げられている。

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口腔内予防処置として,①ゾレドロン酸の投与前に歯科医師による口腔内のチェックを受け,必要な歯科処置を行う,②侵襲的歯科処置の場合は処置後6〜8 週後に創傷の治癒が確認された場合にゾレドロン酸の投与を開始する,③ゾレドロン酸の投与開始後は口腔内ケアを十分に行い,担当医の許可なく歯科を受診し治療を受けないようにすることを行うと,ゾレドロン酸を長期に使用(6 回以上)している骨髄腫患者でARONJ の発症は1/3 以下に減少し,重症例(stage 3)はなかったと報告されている。ARONJ は治癒が非常に困難な疾患と考えられていたが,ARONJ が治癒しなかった症例は24%で,12%が改善後再燃,62%が改善・治癒しているとの報告がある。また,治癒した12 例にビスホスホネートが再開され,6 例にARONJ が再び発症している。

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再発難治性多発性骨髄腫、belantamab mafodotin上乗せの有用性

治療効果の優れた新規抗骨髄腫薬が次々と臨床応用されているため,これらとの併用下での,ゾレドロン酸やデノスマブの有用性や至適な投与法・投与期間さらには生存へのメリットを今後さらに明らかにする必要がある。

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近年,新規薬剤を含む治療法の改善により,多発性骨髄腫患者の生存期間は年単位で延長してきているが,高齢

デノスマブは破骨細胞分化因子(receptor activator of nuclear factor-κB ligand:RANKL)に対する完全ヒト化モノクローナル抗体である。デノスマブの120 mg 皮下注とゾレドロン酸の4 mg 点滴静注の4 週ごと投与の,ビスホスホネート製剤の治療歴のない溶骨性病変を有する骨髄腫患者に対する骨関連事象の発現抑制効果は同等であった。この試験では骨髄腫患者数が少ないだけでなく,前治療の内容にも偏りがあったため,この2 剤の治療効果や予後に及ぼす影響を正当に検証するために,骨病変を有する初発骨髄腫患者に対し新規薬や自家移植などの治療内容を均等化した国際共同大規模第Ⅲ相臨床試験が施行された(デノスマブ群,ゾレドロン酸群それぞれ859 例)。中央値17.4 カ月の観察で,デノスマブはゾレドロン酸と骨関連事象の発現抑制効果は同等であった。両群ともに治療開始初期に骨関連事象の発生が多かったが,15 カ月以降の骨関連事象の発現はデノスマブ群で有意に少なかった。死亡数はデノスマブ群,ゾレドロン酸群でそれぞれ121,129 例であり,全生存割合への影響に差はなかったが,無進行生存期間はデノスマブ群で有意に延長していた(中央値46.09 vs 35.38 カ月)。デノスマブはゾレドロン酸と異なり腎障害例でも減量の必要はないが,腎障害の発生・増悪はゾレドロン酸群に比べデノスマブ群で有意に少なかった。低カルシウム血症は大部分がG1-2 の軽度のものであったが,低カルシウム血症の発生はデノスマブ群で有意に多かった(16.9 vs 12.4%)。顎骨壊死の発生には両群間で差はなかった。このように今回の大規模試験で,骨病変を有する初発例に対するデノスマブとゾレドロン酸の治療効果がより明瞭になった。

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[PDF] 医師のための ASH2008 多発性骨髄腫 ハイライト

D/S 第Ⅲ臨床病期で骨融解病変を有する患者に対する大規模臨床試験により,骨病変を有する進行期骨髄腫患者に対し,化学療法に加え,3〜4 週ごとのゾレドロン酸4 mg の15 分間点滴静注の2 年以内の反復投与の有用性が示された, 。次いで,新規発症骨髄腫1,960 例を自家移植群と非移植群に分け,さらにそれぞれの群を骨病変の有無にかかわらず初期治療時よりゾレドロン酸4 mg の3〜4 週ごとの投与またはクロドロネートの連日経口1,600 mg 群に割り付けたMRC Myeloma Ⅸ試験が行われた。中央値3.7 年の観察で,ゾレドロン酸投与群(n=981)ではクロドロネート投与群(n=979)より有意に骨関連事象の発生が少なく,全生存期間が5.5 カ月延長した。さらに2 年を超え長期間試験が継続された症例(582 例)を抽出し検討したところ,ゾレドロン酸群はクロドロネート群に対して有意に全生存期間が上回り(HR 0.60,p=0.0201),骨関連事象の発生も有意に抑制し(p=0.0102),初回増悪からの生存期間も延長していた(34 vs 27 カ月,HR 0.58,p=0.0291)。顎骨壊死(ONJ)の発生は,ゾレドロン酸群290 例中12 例(4.1%)にみられた。

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サノフィ株式会社の依頼による再発性及び/又は難治性多発性骨髄腫患者を対 ..

一方,同種移植においては治療関連死亡(TRM)が問題であったが,近年,移植前処置を骨髄非破壊的にすることでTRM は減少してきている。自家移植後の再発169 例において移植ドナーの有無によりその後の経過を比較した報告では,ドナーを有した75 例中68 例が骨髄非破壊的同種移植を施行し,2 年PFS ではドナーを有した群が42%,ドナーを有さなかった群が18%で,同種移植群が有意に優れていた(p<0.0001)。しかしながら,2 年生存割合ではドナーを有した群が54%に対し,ドナーを有さなかった群が53%と有意差はなかった(p=0.329)。自家移植後再発例における骨髄非破壊的同種移植のHLA 適合度による比較では,1 年後の非再発死亡率はHLA 適合群では10%であったが,HLA 非適合群では53%にも達した(p=0.001)。このように,同種移植についてはTTP の延長効果が示されたものの長期的な生存期間の延長効果は明らかでないことから,一般的には推奨されず,臨床試験として実施すべきである。

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多発性骨髄腫は血液細胞の中の「形質細胞」というリンパ球の仲間の細胞ががん化し、骨髄を中心に増殖する「形質細胞腫瘍」の最も代表的な疾患です。

孤立性形質細胞腫から多発性骨髄腫への進展をきたすと予後が不良になる。孤立性形質細胞腫258 例(骨の孤立性形質細胞腫206 例,軟部組織の孤立性形質細胞腫52 例)のうち214 例が放射線療法のみ,34 例が放射線療法と化学療法[22 例がMP 療法(MEL, PSL),7 例がVAD 療法(VCR, DXR, DEX),5 例がその他の多剤併用療法]を中央値で6 コース併用した観察で,平均観察期間が56 カ月で多発性骨髄腫への進行までの期間の中央値は21 カ月であった。10 年後の多発性骨髄腫への進展率は放射線療法単独群で64%,化学療法併用群で74%と化学療法を追加する有用性が認められていない。また,腫瘍径が4 cm 未満の場合が4 cm 以上に比べ予後良好であった。このように,孤立性形質細胞腫に対し局所放射線療法にMP 療法などの多剤併用化学療法を追加する有用性は示されていない。逆に二次性白血病などのリスクが高まることが懸念される。国際骨髄腫作業部会(International Myeloma Working Group:IMWG)の診断規準が出される以前の報告では,椎骨と腸骨のMRI の評価が行われていないため,現在試行可能なMRI やPET/CT で詳細な評価を行えば一部の症例が多発性骨髄腫と診断される可能性がある。また,これまでの報告では新規薬剤を用いた検討もない。今後,PET/CT やMRI などの画像診断にて孤立性かどうかのより厳密な診断を行った多数例で,診断時の孤立性腫瘍の大きさ,M 蛋白の存在や腸骨の骨髄穿刺での多発性骨髄腫の診断規準を満たさない単クローン性の形質細胞の存在等が多発性骨髄腫への進展へのリスク因子になるのかどうか,またこのようなリスク因子がある場合の新規薬剤を用いた補助化学療法が多発性骨髄腫への進展の抑制効果があるのかどうかなどの検討が望まれる。

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期待できない再発・難治性の多発性骨髄腫に対し、エムプリシティを加え

難治例に対する自家造血幹細胞移植については,初回化学療法に感受性を有する例と化学療法抵抗例との成績が比較検討されたが,1 年無増悪生存割合(PFS)は化学療法感受性群が83%,治療抵抗群が70%と有意差を認めなかった(p=0.65)。また,全生存期間(OS)においても有意差を認めなかったことから,化学療法抵抗例に対する自家移植は有効な治療法として推奨される。また,初回自家移植後再発例に対する2 回目の自家移植は,再発後化学療法のみの群との比較において,4 年生存割合は32% vs 22%と自家移植群が有意に優れていた(p<0.0001)。さらに,この検討では年齢55 歳未満,初診時β2 ミクログロブリン2.5 mg/L 未満,初回移植後の奏効期間が9 カ月以上,初回移植後の深い奏効例において,2 回目の自家移植による無増悪期間(TTP)やOS の延長効果が認められた。また,自家移植後再発例を対象とし,ボルテゾミブ+ドキソルビシン+デキサメタゾン(PAD)による再寛解導入療法後に自家移植と経口シクロホスファミド療法(CPA)との第Ⅲ相比較試験では,TTP の中央値は19 カ月vs 11 カ月と自家移植群が有意に優れていたが(p<0.0001),OS における有意差はなかった。ただし,染色体高リスク群を有する患者においては自家移植の優越性は示されなかった。以上より,自家移植後再発例のうち染色体標準リスク群における2 回目の自家移植は推奨される。

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種々のヒト多発性骨髄腫細胞株に対して増殖抑制作用を示し、その作用はレナリドミドとの併用により増強された。 18.3 In vivo試験

また,レナリドミドおよびプロテアソーム阻害薬による前治療歴を有する再発または難治性の多発性骨髄腫117 例に対するELO+POM+DEX 療法とPOM+DEX 療法を比較するランダム化第Ⅱ相試験が実施され,PFS の中央値は10.3 カ月vs 4.7 カ月(p=0.008)とELO 併用群における優位性が認められた。全奏効率も53% と26% で,同様にELO 併用群で高かった。ELO 併用群での主なGrade 3 以上の有害事象としては,好中球減少13%,貧血0%,高血糖8% などが認められたが,POM+DEX 群と比較して高頻度ではなかった。しかし,両群で65% の患者に感染症合併を認め,ELO 併用群の5% でinfusion reaction を認めた。

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(力価)/m2(体表面積)以下とする。 6.7 多発性骨髄腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法

AL アミロイドーシスは,異常形質細胞より産生されるモノクローナル免疫グロブリン(M 蛋白)の軽鎖(L 鎖)に由来するアミロイド蛋白が全身諸臓器に沈着し,臓器障害をきたす疾患である, 。免疫グロブリン重鎖(H 鎖)に由来するものはAH アミロイドーシスと呼ばれるが極めて稀で,両者をあわせて免疫グロブリン性アミロイドーシスとも呼ぶ。多発性骨髄腫や原発性マクログロブリン血症など基礎疾患を伴わない場合を原発性,基礎疾患に伴う場合を二次性AL アミロイドーシスと呼ぶ。しかし,実際には両者の鑑別困難な症例もみられ,WHO 分類(2017)では両者をまとめて原発性アミロイドーシスとしている。また,病変が複数の臓器にわたる場合を全身性,一臓器に限局する場合を限局性と呼ぶ。本疾患は稀な病気であり,2014 年に実施された全国疫学調査では,2012〜2014 年のAL アミロイドーシス推定患者数は3,200 例であった。アミロイド蛋白の沈着は心臓,腎臓,肝臓,消化管,末梢神経など多臓器にわたり,多彩な臨床症状を呈する。診断確定は病理学的所見に基づき,Congo red 染色で橙赤色に染まり,偏光顕微鏡下で緑色の複屈折を示すことが必須である。さらに抗免疫グロブリン軽鎖抗体を用いた免疫染色でアミロイドの病型を確定する。病型診断が困難な場合は,アミロイド沈着部位をレーザーマイクロダイセクションで採取し,質量解析を行う。M 蛋白の検出には血清・尿の蛋白電気泳動,免疫電気泳動が行われるが,遊離軽鎖(free light chain:FLC)の測定は感度が高く有用である。本症の予後は不良であり,無治療例での診断からの50%生存期間はおよそ13 カ月,特に心病変を有する症例は予後不良である。治療目標はアミロイド蛋白の原因となっているモノクローナルなFLC の産生を速やかに抑制し,臓器機能を温存することにある。自家末梢血幹細胞移植は臓器障害のため治療関連死亡が高いので適応を慎重に検討し,リスクに応じた前処置の減量を考慮し実施することが重要である。自家末梢血幹細胞移植の適応のない症例ではメルファラン/デキサメタゾン療法あるいは減量DEX(LD-DEX)が推奨されるが,最近ではボルテゾミブなどの多発性骨髄腫に用いられる新規薬剤の有用性が報告されている。

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多発性骨髄腫に対して,ボルテゾミブとデキサメタゾンの有用性を比較検討した RCT で,ボルテゾミブ.

DARA の第Ⅰ/Ⅱ相試験では単独療法の漸増試験が行われ,8 mg/kg と16 mg/kg におけるPR 以上の奏効割合はそれぞれ10%と36%[完全奏効(CR)5%,非常によい部分奏効(VGPR)5%を含む]であった。16 mg/kg 群におけるPFS の中央値は5.6 カ月であり,奏効例の65%は1 年の時点で進行を認めなかった。Grade 3 以上の主な有害事象は肺炎と血小板減少であった。Infusion reaction はそれぞれ67%と71%と高頻度であったが,大部分はGrade 1, 2 で初回投与時に認められた。DARA の第Ⅲ相試験では16 mg/kg が用いられ,LEN+DEX 療法やBOR+DEX 療法との併用療法が検討された。DARA+LEN+DEX 療法とLEN+DEX 療法との比較試験(POLLUX)では,1 年後のPFS はコントロール群60.1%に対しDARA 群83.2%と有意に優れていた(p<0.001)。PR 以上の奏効割合は76.4% vs 92.9%,CR 以上の奏効割合は19.2% vs 43.2%とDARA 群における深い奏効が認められた(いずれもp<0.001)。Grade 3 以上の主な有害事象は好中球減少37.0% vs 51.9%,血小板減少13.5% vs 12.7%,貧血19.6% vs 12.4%であった。DARA によるinfusion reaction は47.7%に認められたが,大部分はGrade 1, 2 であった。DARA+BOR+DEX 療法とBOR+DEX 療法との比較試験(CASTOR)では,1 年後のPFS はコントロール群26.9%に対しDARA 群60.7%と有意な効果を示した(p<0.001)。PR 以上の奏効割合は63.2% vs 82.9%(p<0.001),CR 以上の奏効割合は9.0% vs 19.2%(p=0.001)とDARA 群における優位性が示された。Grade 3 以上の主な有害事象は血小板減少32.9% vs 45.3%,貧血16.0% vs 14.4%,好中球減少4.2% vs 12.8%であった。DARA によるinfusion reaction は45.3%にみられたが,Grade 3 は8.6%であった。以上より,再発難治例に対するDARA+LEN+DEX 療法とDARA+BOR+DEX 療法は推奨される。

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