1.ペニシリン、セフェムアレルギーと βラクタム系抗菌薬の使用(交差反応)
2011年 佐賀大学医学部医学科卒業。2021年 横浜市立大学大学院医学研究科修了。
日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医、日本リウマチ学会 リウマチ専門医・指導医、日本化学療法学会 抗菌化学療法認定医。感染症およびリウマチ・膠原病疾患の診療・研究に従事している。
【抗菌薬】ペニシリンアレルギー、 セフェムアレルギーの対応と代替薬
本記事を手掛けていただいた副島先生に監修いただき「頻用抗菌薬の使い方早見表」をご用意しました。
大腸菌など多くの腸内細菌(キャンピロバクターは除く)に活性があり、CDIにも有効です。
消化管から吸収されず、腸管内感染症の治療に用いる薬剤です。これらの理由から、菌血症を疑う状況では使用できません。
日本では「肝性脳症における高アンモニア血症」にのみ承認されています。
[PDF] ペニシリン系セフェム系注射薬剤 交叉アレルギーについて
テトラサイクリン系のスペクトラムに加えてVRE、グラム陰性桿菌、嫌気性菌にも有効な薬剤です。
ESBL産生菌、多剤耐性アシネトバクターへの効果が期待されていますが、緑膿菌には効果がありません。胆汁腸管への移行はよいですが、関節・骨・髄液への移行は悪いです。悪心などの消化器症状が多いです。
嫌気性菌に殺菌的に採用する薬剤です。中枢神経を含む組織移行性が良好で、腹腔内感染症・脳膿瘍にβラクタム系と併用します。またCDIの第一選択薬でもあります。
消化器症状、末梢神経障害、脳症などの副作用があります。
9.1.1 ペニシリン系又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者 ..
腸管吸収率は悪いですが、一度組織内に移行すると有効濃度が長く維持される薬剤です。
性感染症、非定型肺炎、猫ひっかき病など、長期連用しないような状況で使用することが多い薬剤です。
#本稿に関して開示すべきCOIはありません。 抗菌薬適正使用と加算 薬剤耐性菌の拡大は日本全体ならびに世界の課題であり、薬剤耐性菌対策として抗菌薬の適正使用が求められている。全国抗菌薬販売量(defined daily doses換算)において、2022年時点で内服薬は注射薬のお…
抗菌薬の中でもβラクタム系抗菌薬は最もアレルギー症状を引き起こす可能性が高い薬剤群と言われ
このように、現在ではアレルギーは系統だけで判断するのではなく、その化学的構造などを考慮して判断する必要がある。今後、新たなβラクタム系抗菌薬が販売されたとしても、側鎖構造を判断することで交差アレルギーが予測できる。2019年に米国FDAで認可されたcatechol-cephalosporinのCefiderocolは、R1側鎖にセフタジジムと共通の構造を持つ。臨床で使用されないと判定はできないが、セフタジジムやアズトレオナムと交差アレルギーがあるかもしれない。
アミノペニシリンとアミノセファロスポリン(セファレキシン、セファクロル、セファドロキシル)は同一R1側鎖を有すため、IgE介在性30)・T-細胞介在性19)ともに交差アレルギー反応がみられるため避けるべきである。
【感染症内科医監修】ペニシリン系抗生物質の一覧解説<早見表つき
米国では約10%の患者がペニシリンアレルギーと申告しており、高齢者や入院患者でその頻度が高まる。そのうち約の患者では安全に投与することができると報告されている26)。過剰なペニシリンアレルギー診断は、高価で不適切な抗菌薬使用を助長する27)。また、入院期間の延長やC. difficile、MRSA、VRE感染症のリスクも高まることが報告されている28)。
【慎重投与】 ○セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
ペニシリン系抗菌薬とセファロスポリン系抗菌薬は構造に類似点があるが、その分解経路が異なる(表3)25)。ペニシリン系は蛋白質の残留リジンに結合できる不完全な中間体としてpenicilloylを形成して抗原となる。セファロスポリン系抗菌薬は速やかにフラグメントに分解され、分解生成物の免疫原性がそれほど強くないことがペニシリン系抗菌薬とは異なる。一方、R1側鎖は構造を残したまま分解されるため、抗原決定構造となる。
また、セフェム系はペニシリン系との交差反応もあるためペニシリンアレルギーの場合はセフェム系も注意。 マクロライド系投与について
ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)や耐性傾向のインフルエンザ桿菌(BLNAR)にもスペクトラムがある薬剤です。
これらの菌を標的としたCOPDの急性増悪、中耳炎・副鼻腔炎などが適応になります。ただし、腸管吸収率はきわめて低く(10-25%)、頻用されることによる第3世代セフェム系注射薬の耐性化が問題となるため、症例を選んで使用するべき薬剤です。
◎アモキシシリンの主な代替薬はセファレキシン、マクロライド系抗菌薬、クリンダマイシンである。
抗ペニシリン血清学的診断(IgE)によるin vitro検査は臨床症状との相関性が低く、診断には無効とされている23)。I型アレルギーでは皮膚試験や特異的IgE検査(RAST)、IV型アレルギーではパッチテストなどが診断に使用される。
[PDF] ペニシリンアレルギーとは~βラクタム系の交差性を ..
アレルギー発生時の併用薬の確認をすることも必要である。アロプリノールは重症薬疹での一番の原因薬剤であり、抗けいれん薬は抗菌薬とアレルギーの頻度が近い。また、頻繁に処方されるNSAIDsも薬疹の頻度は高い。これらの薬剤に起因するアレルギーが抗菌薬のものとされることもある。特にIV型アレルギーは原因薬剤を中止しても数日悪化をたどることがあり、原因薬剤の特定が難しくなる。
ペニシリン系とセフェム系の交差性も知られており、7 位に類似構造をもつセフェム系に注意が必
問診上、リスクの低い症状としては、家族歴の申告のみや消化器症状、皮疹のない掻痒感、頭痛などの非アレルギー症状の申告となる14)22)。
【ミニレビュー】 βラクタム系抗菌薬アレルギー(Q&A形式でみる)
ペニシリンアレルギー申告患者において臨床現場で問題となる場面は周術期投与であろう。非アナフィラキシー・ペニシリンアレルギー患者では、セファゾリンは安全に使用できる可能性が高いにもかかわらず、約の医師がセファゾリンの使用を避けていたという調査がある。本調査では、ペニシリンとセファゾリンの交差アレルギーに対する知識を有する医師は約半数であり、知識の有無がセファゾリン選択に影響していた21)。
ペニシリン系やセフェム系アレルギーの既往があるからといって、すべてのβラクタム系薬が
また、ペニシリンアレルギーの申告があった患者となかった患者で統計学的な差はなかったが、申告がなかった患者のほうがカルバペネム系抗菌薬による薬剤過敏症が多かった報告17)があり、ペニシリンアレルギー歴はカルバペネム系抗菌薬による過敏症の推測にはあまり有用でないことが示唆される。しかしながら、このような報告がペニシリンアレルギーと申告された患者へのカルバペネム系薬の使用増に影響してしまうことも懸念される。実際、グラム陰性菌の血流感染において、カルバペネム系抗菌薬が使用される頻度が高いことが報告されている17)。
患者は以前にかぜで受診したとき,サワシリン®(アモキシシリン)で全身の発疹が出たという。 ..
青カビから分離された天然抗生物質です。
スペクトラムは狭域ですが、レンサ球菌・髄膜炎菌への強力な活性を持つ「切れ味のよい」抗菌薬です。
半減期が短いため、数時間ごとの点滴もしくは持続点滴で投与します。また、欧米では梅毒治療の第一選択であった筋注用製剤が2021年に日本でも薬事承認され、使用できるようになりました。
セフェムアレルギーの患者さん ペニシリンアレルギーの患者さんは、セフェム薬に対してもアレルギーを認めることもあります。
IgE介在性ペニシリンアレルギー患者における皮膚試験の陰性確認は、安全にカルバペネム系薬を使用できる指標となる15)。
さらに追記するなら、プレボテがβ-ラクタマーゼ産生菌であり、ペニシリン系・セフェム ..
[解説]
ペニシリンアレルギーの既往のある患者で、カルバペネム系薬の皮膚試験が陽性となる患者は1%程度である。ペニシリン系抗菌薬、セファロスポリン系抗菌薬ともに、交差アレルギーは1%未満と推定される14)。
ペニシリン系抗菌薬, 左のペニシリン系抗菌薬と側鎖の類似するもの
抗菌薬には非常に多くの種類があり、覚えたり使い分けたりするのに苦心するものです。今回はそんな抗菌薬のうち。特徴や注意点を系統ごとに分けて解説していただきました。
ペニシリンアレルギーもこれに含まれる。 βラクタム系抗菌薬(ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系)が最多であり、 ..
ペニシリンアレルギー患者への抗菌薬処方がどうしても必要な場合,同様の抗菌スペクトラムを持つ他のクラスの抗菌薬を処方することが重要です。そのため想定している感染臓器,起因微生物に十分活性がある抗菌薬として第2選択,第3選択として何があるのかを常に考えておく必要があります。
日本の添付文書ではペニシリンアレルギーの既往がある場合、同系統の使用は原則禁忌となっていま
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